[記事公開日]2016/05/04
不整脈の原因と症状!食事による予防と運動について
不整脈と聞くと、高齢者に多いような印象を受けますが、実は若者にも不整脈でお悩みの方は沢山います。
不整脈の原因とは?
不整脈の症状とは?
不整脈時の気をつける食事とは?
不整脈は運動してはいけないの?
健康な人でも突然起こりうる“不整脈”について、詳しくお伝えしていきます。
目次
不整脈とは
不整脈とは、脈の打ちかたに異常がある状態を言います。
脈がゆっくり打ったり、速く打ったり、飛んで打ったり、不規則に打ったりと安定しない状態です。
脈が1分間に60以下の状態を「徐脈」、100以上の場合を頻脈と言います。
不整脈の原因と症状
不整脈にも症状の違いによって種類があります。
①脈拍が速くなる⇒「頻脈性不整脈」
②脈拍が遅くなる⇒「徐脈性不整脈」
③脈拍が不規則 ⇒「期外収縮」
ではそれぞれの症状について見ていきます。
①脈拍が速くなる「頻脈性不整脈」の症状
脈が1分間に100以上であると、「頻脈性不整脈」です。
症状が重い場合、1分間に240~250回もの脈を打つことがあります。
脈拍が速すぎると、心臓は血液を効率よく送り出せなくなってしまいます。
心臓が十分な血液を体内に送り出すことができなくなると、めまいや貧血症状の他、血圧が低下し失神してしまうこともあります。
心拍は速すぎると、心臓がカラ打ちしてしまい心臓から全身へ全く血液を送れない状態になってしまうこともあります。これを“心停止発作”と言います。
「頻脈性不整脈」の症状まとめ
- 脈の乱れの自覚
- めまい
- 貧血
- 動機
- 息切れ
- 立ちくらみ
- 失神・痙攣を伴う失神
②脈拍が遅くなる「徐脈性不整脈」の原因
脈が1分間に60以下であると、「徐脈性不整脈」です。
脈拍が少ないため、日常生活や運動する際に必要な酸素量を体内全体に送り出すことができません。
症状が重い場合、数秒間心臓が停止が起こることもあります。
十分な酸素が送られないため、めまいや息切れを引き起こします。症状が重い場合、痙攣と失神を引き起こします。
「徐脈性不整脈」の症状まとめ
- めまい
- 息切れ
- 失神
- 過度の疲労感
③脈拍が不規則になる「期外収縮」
心臓が本来の周期を外れて早く収縮するのが、「期外収縮」です。
3つの不整脈の中でも日常的に見られるものであり、30歳を超えた多くの人に自覚症状が見られます。
年齢を重ねるにつれてその自覚症状は増えていきますが、そのほとんどが特に心肺する必要のないものです。
ですが中には心臓病からくる症状の場合もあります。
「期外収縮」の症状まとめ
- 喉が詰まったような感覚
- 胸がぎゅっとなる
- 胸に不快感を感じる
- 胸にチクっとした痛みを感じる
不整脈が起こる原因
不整脈が起こる原因として大きく挙げられるのが、
①加齢
②ストレス
③病気
です。不整脈になりやすい人の特徴として、高齢者・高血圧・肥満体質・心臓疾患が挙げられます。
不整脈が自覚症状が必ずしもあるわけではなく、知らないうちに不整脈が発生している場合もあります。期外収縮などは加齢とともに多くの人に見られるようになり、その症状の感じ方は人それぞれです。
ではそれぞれの原因について詳しく見て行きます。
①加齢による不整脈
不整脈が起こる一番の原因といわれているのが「加齢」です。
30歳を過ぎた頃から“脈拍がおかしいな?”と感じる人が増えてきます。
歳を重ねるごとに体のあらゆる機能も低下していきます。それに伴い心肺機能も衰えていくため、不整脈が起こりやすくなるのです。
中高年の多の方々が心電図を記録すると、1日に数個の不整脈が発見されます。不整脈は加齢とともに誰もに起こるものであり、さほど気にする必要はありません。
ただし、不整脈によるその他の症状が過度に見られる場合には、早めに医師の診察を受けましょう。
②ストレスによる不整脈
不整脈は高齢者だけの問題でなく、若者にも十分起こりうるものです。
若年層が不整脈を引き起こす最も多い原因が「ストレス」です。
心臓の脈打つリズムを調節しているのは「交感神経」です。
交感神経は主に、活動している時・緊張している時・ストレスを感じている時にはたらきます。興奮したときや運動したときに脈が速くなるのは、交感神経がはたらき心臓の動きを活発化させ、多くの血液を送っているためです。
過度にストレスを感じると、交換神経が乱れてしまいます。
交感神経が乱れてしまうことで、心臓のリズムが乱れてしまい、不整脈が起こってしまいます。
このストレスは精神的ストレスだけでなく、睡眠不足や肉体疲労から感じるストレスも原因となります。
ストレスによる不整脈を感じたときは、身体をしっかり休め、なるべくストレスを抱えないようにしましょう。
③病気による不整脈
痙攣や失神など、不整脈による危険な症状が表れる場合は、病気が原因と考えられますので早急に受診するようにしましょう。
不整脈から考えられる心臓疾患
- 心室細動
- 心室頻拍
- 心房細胞
- QT延長症候群
- 房室ブロック
- WPW症候群
- 発作性上質性頻拍症
これらの心臓疾患を放置していると、最悪の場合死亡に至ることがあります。
これだけでなく、狭心症や心筋症などの持病をお持ちの方で、不整脈からくるめまいや吐き気、動機がおさまらないなどの症状が見られた場合、すみやかに受診するようにしましょう。
不整脈に効果的な食事
不整脈の主な原因は自律神経(交感神経)の乱れです。
これは上記でも述べたとおり、過度なストレスを感じることで交感神経を刺激し、不整脈の原因となります。
その為、不整脈を予防する最も効果的な食べ物は、自律神経の乱れを改善する食材です。
自律神経を整える食べ物は、「ビタミンA」を含む食べ物です。
主に“緑黄色野菜”や“乳製品”に多く含まれます。牛乳などにはカルシウムも含まれており、ストレスの原因の一つであるイライラを抑える効果もあります。
ビタミンAを多く含む食べ物
- たまご
- にんじん
- ほうれんそう
- かぼちゃ
- 鶏レバー
では反対に、摂取を控えた方がよい食べ物は「動物性タンパク質」を含む食べ物です。
脂質の多い肉や、油ものなどの料理はコレステロール値の悪化につながります。
またカフェインの多く含まれる食べ物や飲み物にも注意が必要です。
カフェインは脈拍のリズムを乱す傾向があり、特に収縮の時に影響を及ぼしやすいため、頻脈の方はコーヒー等の飲みすぎに注意しましょう。
不整脈と運動について
不整脈や心臓病を患っている場合、運動をしてはいけない!ということはありません。
現在では、心臓病に関係する多くの学会、医療機関から心臓病の治療にも運動が有効であることが示されています。
運動といっても激しいものではなく、おすすめされるのは「ウォーキング」です。
ウォーキング等の比較的軽い運動を定期的に実施することで、心臓機能が向上することがわかっています。
また運動することは、交感神経の興奮を抑える効果もあり、不整脈の原因となるストレスも解消することができます。
不整脈の場合、運動をしてはいけないというイメージが強いです。
運動をしてもよいかどうかは、不整脈の種類や不整脈の原因となる疾患によっても大きく異なりますので、一度医師に相談してみるのがよいでしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
一言で不整脈といっても、こわい不整脈・こわくない不整脈があります。
加齢とともに自覚症状が出てくる不整脈ですが、ストレスをためない、リズムのとれた生活習慣を心がけることで予防することができます。
不整脈による突然死を防ぐためにも、日頃の生活を見直し、健康的な食事・睡眠・運動を意識的に実施していきましょう。