[記事公開日]2016/06/28
[最終更新日]2016/06/30

健康診断の結果を会社に提出する義務はあるのか?

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雇用時と年に一度行われる会社での健康診断。

何も異常はないだろう!と思っていても、いざ健康診断を受けた後は結果が気になってそわそわしてしまいますよね。

いざ自分の手元に届いた健康診断の結果!これは果たして会社にも提出する必要があるのか?個人情報だからあまり出したくないんだけれど・・・。

会社から提出を求められた健康診断書の取り扱いについてお伝えしていきます。

 

健康診断は会社に帰属している

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健康診断については、 労働安全衛生法で「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。」 と決まっています。健康診断が必要かどうかは会社の規模で決まるものではなく、小さな会社でも人を雇えば健康診断を受けさせる義務が発生します。

大きい会社だからちゃんと健康診断を実施している!という認識を持っている方も少なくないかと思いますが、たとえ従業員が1人でも、人を雇えばこの義務は発生するのです。健康診断の実施義務を怠ると、なんと50万円以下の罰金が科せられる場合もあるのです。

そのため、費用は会社側が負担することになるので、健康診断の情報は会社側に帰属します。つまり、会社が保持すべき情報として取り扱われるということです。

 

健康診断を保管する義務がある

事業者は、健康診断の結果を健康診断個人票を作成して、5年間保管しなければなりません。

会社側は、従業員の健康状態を把握した上で仕事をさせなければなりません。会社側に健康管理・業務管理の義務があるのです。

健康診断の結果は会社に保存しなくてはなりませんが、その際に注意すべきは個人情報の取扱です。今回のタイトルにもあるとおり、健康診断結果を会社に提出する必要が必ずしもあるかどうか気になるのは、健康診断結果が際待て高いプライバシーの一つだからです。その保存については細心の注意を払う必要があります。

 

受診結果を報告する義務がある

たとえ小さな会社でも、従業員が1人でもいる限り、必ず健康診断を受けさせる義務があります。

さらに、常時50名以上の労働者を使用する事業所の場合、健康診断結果を労働基準監督署に提出せねばなりません。

実施報告書の人数と、実際に受診すべき人数が合わない場合、労働基準監督署から勧告や指導が入る可能性があります。また、社員に健康診断を受診させる義務を果たしていないとみなされると、事業者は50万円以下の罰金に処されます。

 

健康診断の検査項目の例

労働者を雇い入れた際の健康診断項目はあらかじめ決まっており、省略することはできません。

【雇用時の健康診断(労働安全衛生規則 第 43条)】

1.
既往歴・喫煙歴・服薬歴・業務歴の調査
2.
自覚症状および他覚症状の有無の検査
3.
身長、体重、腹囲、視力、および聴力の検査(1000Hz・30dB)(4000Hz・30dB)
4.
胸部X線検査
5.
血圧の測定
6.
尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)
7.
貧血検査(赤血球数、血色素量)
8.
肝機能検査(GOT、GPT、γ‐GTP)
9.
血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)
10.
血糖検査(空腹時血糖またはヘモグロビンA1c)
11.
心電図検査

【定期健康診断(労働安全衛生規則 第 44条)】

1.
既往歴・喫煙歴・服薬歴・業務歴の調査
2.
自覚症状および他覚症状の有無の検査
3.
身長、体重、視力、腹囲、および聴力の検査(1000Hz・30dB)(4000Hz・40dB)
4.
胸部X線検査、および喀痰検査
5.
血圧の測定
6.
尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)
7.
貧血検査(赤血球数、血色素量)
8.
肝機能検査(GOT、GPT、γ‐GTP)
9.
血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)
10.
血糖検査(空腹時血糖またはヘモグロビンA1c)
11.
心電図検査

医師が必要でないと認める場合に省略できる健康診断項目
※身長測定(20歳以上の者)
※聴力検査:45歳未満の者(35歳と40歳を除く)については医師が適当と認める聴力の検査(オージオまたはその他の方法)に代えることが可能
※喀痰検査:胸部X線検査によって疾病の発見、結核発病のおそれがないと診断された者、および胸部X線検査を省略した者
※胸部X線検査:40歳未満の方で下記に該当せず医師が認めた者
・5歳毎の節目年齢(20歳、25歳、30歳及び35歳)の方
・感染症法で結核に係る定期の健康診断の対象とされている施設等で働かれている方
・じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている方
※心電図検査、血中脂質検査、肝臓機能検査、貧血検査、血糖検査は35歳未満と36歳以上40歳未満の者について省略可能
※腹囲測定:40歳未満(35歳を除く)の場合、妊娠中の女性その他の者であって、その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断された場合、BMIが20未満である場合、BMIが22未満であって、自ら腹囲を申告した場合

 

健康診断の結果を会社に提出しなくてもいい例外

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上記でお伝えした、定められた項目以外をオプションで検査した場合、その診断結果についての報告義務はありません。

女性であればオプションとして、婦人科系疾患の検査を受けられる方も多いかと思います。デリケートな情報でもありますので、なるべく外に出したくない情報ですよね。安心してください。提出する必要はありません。

法定項目は拒否出来ませんが、その他定められていない項目の検査結果については、黒マーカーでつぶして提出するなども可能であり、労働者の同意が無ければ結果を取得することはできません。

 

健康診断結果は個人情報であっても会社に提出しなければならない

労働者は、法定定期健康診断の項目についてその結果の提出義務を負っています。

会社で従業員として働いていれば、健康診断は必ず受診しなければなりませんし、これは義務です。また会社は従業員の健康状態を考えた仕事内容を任せることが必要になります。

労働安全衛生法では、会社側は従業員に年1回の健康診断を受けさせ、従業員の健康を管理する義務を負っています。

労働者の健康状態に関するプライバシーの問題は、会社が健康に関する個人情報を取得できるかどうかということではなく、取得した情報をどのように管理するかという、取得後の管理の問題と言えます。

 

さいごに

いかがでしたでしょうか?

近年個人情報保護法により、プライバシー問題がいたるところで耳にするようになりました。

どのような些細なものでも、プライバシーの侵害という言葉を利用されると、一歩気が引けてしまう。そんな世の中であるといえます。

もちろん個人情報を悪用されない、流用させないためには、自分自身の管理能力が大変重要になってきます。しかし必要に応じて柔軟に対応することも必要です。これは個人情報をある程度軽視しろと言っているのではなく、なんでもかんでもプライバシーの侵害だ!としていては世の中うまく渡っていけませんよ。ということです。

もちろん自分自身の健康状態の詳細を他人の目に触れさすことに抵抗はあるかと思います。しかしこれは、会社側が従業員に対して、無理な労働をさせないためにも知っておく必要のある大切な情報の1つです。

問題視するべき点は、健康診断結果を会社に提出するということではなく、会社を信頼して提出した健康診断結果という個人情報をきちんと管理・保管できているかというところだと私は考えます。

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