[記事公開日]2016/11/08
[最終更新日]2018/05/11
博多駅前の道路陥没、施工業者はどこか。過去にも陥没していた経緯あり
11月8日の午前、福岡県の博多駅前の道路が陥没。
広範囲にわたる道路陥没だけでなく、信号機の落下、博多駅や周辺の停電などの被害も確認されています。
過去にも同じ道路陥没が起こったことがあり、まさかの2回目ということに。
しかも被害はかなりの広範囲に及び、道路は完全に封鎖、陥没範囲も拡大しているとのこと。
今回の道路陥没の原因は何だったのか?
施工業者はどこなのか?
原因について詳しくみていきたいと思います。
原因は地下鉄七隈線の延長工事か
道路が陥没した現場の地下では、福岡市地下鉄七隈線の延伸工事が行われています。
今回の陥没事故に関する詳しい原因は現在調査中とのことですが、この延伸工事が原因であると推測されています。
この工事は、天神南駅から博多駅まではかた駅前通りなどの地下およそ1.4キロメートルをつなぐもの。平成25年度から行われ、7年後の平成32年度の開業を予定しています。
建設費はおよそ450億円。
福岡市交通局はホームページに「七隈線延伸工事に伴う道路陥没事故について」というおわびを掲載しています。
平成28年11月8日
午前10時00分 発表地下鉄七隈線延伸工事に伴う道路陥没事故について
(第2報) 平成28年11月8日(火)5時15分頃,博多駅前2丁目交差点付近において,道路陥没事故が発生したため,現在,博多口交差点から博多区役所南口交差点の区間において,全面通行止めといたしております。 陥没の大きさは,幅約27メートル,長さ約30メートル,深さ約15メートルです。 また,これに伴い,事故現場付近の上水道,中水道,ガス中圧管を停止しております。 なお,本件に関し,お怪我をされた方はおられません。 原因については調査中であり,通行止めの期間は未定です。詳細が分かり次第,お知らせいたします。 市民の皆様にご迷惑をお掛けしておりますことをお詫び申し上げます。福岡市交通局
この地下鉄七隈駅延伸工事による道路陥没、実は今回が初めてではありません。
2014年10月27日。
福岡県福岡市博多区で道路の陥没事故が発生。
原因は延伸工事中のたて杭に地下の土砂が流れ込んだことが原因でした。
土砂が流れ込むことによって周囲の道路の地盤が弱くなり、結果陥没したとのこと。
そして今回の陥没事故の原因も七隈駅延伸工事に伴うものであると判明。
なぜこのような事故が2回も起きてしまったのか?
施工業者による原因究明と対策は万全に行われていなかったのでしょうか?
七隈線延伸工事の施工業者
今回の道路陥没の原因とされる七隈線延伸工事の落札業者は次のとおり。
- 大成
- 佐藤
- 森本
- 三軌
- 西光
上記の建設工事共同企業体が受注しています。
工事の名称は福岡市地下鉄七隈線博多駅(仮称)工区建設工事。
福岡市博多区博多駅前2地先~博多駅中央街地先が工事場所です。
7日も作業がおこなわれており、その際に地下水が出ているとの報告もあったそうです。
専門家は以下のように指摘。
「現場の映像からは、陥没した穴に大量の水がたまっている。上下水道は図面があり、トンネルの掘削の際には試し掘りをしながらかなり注意深く作業を進めているはずなので、上下水道にあたったというよりは地下水が流れる地層にぶつかったことが考えられる。この地域はかなり昔には川が流れていて水を含んだ堆積物が複雑に積もっていて、大量の水で道路の下の土砂が流出したことが道路の陥没につながった可能性がある」
以前起こった陥没事故の原因は、たて杭施工時の地盤改良が不十分であり、周囲の地下の土砂が流れ込んだことが原因でした。
以前も同じような陥没事故があったことから、
「原因をきちんと調査していなかったのではないか」
「そのまま対策をせずに工事を続行したのではないか」
という声がネット上で飛び交っています。
今回の事故の詳しい原因は調査中であるものの、現在推測されている原因は「地下水が流れる地層にぶつかった」ということ。
以前の事故原因とはまた違ったものになります。
しかし原因が違うにせよ、道路が陥没するというのは一歩間違えば甚大な被害を及ぼす危険性のあるものです。
2回の大きな陥没事故にも関わらずけが人がいなかったことは奇跡的とも言えるでしょう。
通行人だけでなく、工事をしている方たちの安全の為にも、早急に原因究明と改善が必要となります。
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